スタッフ紹介

微生物化学研究室

赤澤 真一(あかざわ しんいち)

赤澤 真一
職名: 教授
学位: 博士(バイオサイエンス)
役職: 学科長、地域連携推進センター長
最終学歴: 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科博士後期課程修了
研究分野: 応用生物学,分子生物学,天然物有機化学
所属学会: 日本農芸化学会,日本生物工学会,セルラーゼ研究会,H・P未来産業創造研究会
主な担当教科: 基礎生物工学(2年),生体触媒工学(5年),遺伝子工学(専1年)
研究分野に関する
キーワード:
ミミズ,血栓分解酵素,バイオマス,宿主,細胞培養
E-mail: s-akazaw(後に@nagaoka-ct.ac.jpをつけてください)

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研究室概要

「ミミズには無限の可能性がある!」をテーマにミミズが有する様々な機能を活用し,バイオインダストリーへの展開を目的とした研究を行っています.ミミズには強力なバイオマス糖化酵素や血栓分解酵素が含まれており,これらの酵素は産業上非常に有用です.また,血栓症予防の観点から血栓分解能力を活かした健康食品を開発し,国内外で多数の特許を取得しています.さらに,ミミズ個体や細胞を用いたバイオ医薬品生産や異種タンパク質の生産を目指した全く新しい研究にも取り組んでいます.これらの研究を通して,エネルギー資源や人に貢献する研究を産学連携で精力的に行っています.

主要研究テーマ

1. 多様なバイオマス資化・消化性酵素の解明

ミミズは雑食性で様々なものを分解できる事がよく知られており,古くからコンポスト作製等に利用されています.我々が研究対象としているミミズ(Eisenia sp.)は右図に示す通り,アミラーゼ,セルラーゼ,プロテアーゼ等多様な酵素を有しており,特に,セルラーゼの一種であるエンドグルカナーゼは高い比活性値を示し,ミミズ粗酵素溶液はセルラーゼ高生産菌Trichoderma reeseiより効率良く小麦フスマをグルコースにまで分解する事が明らかとなっています1,2).また,ミミズ酵素は低温においても高い活性を有し,特にアミラーゼは4℃においても40%もの活性を保持する事を明らかにしています.これらの性質は低エネルギーによるバイオマス資化に貢献するだけでなく,消化性サプリメントを開発する上でも有用です.

1) Akazawa,S. at al. Characterization of two endoglucanases for the classification of the earthworm, Eisenia fetida Waki. Biosci. Biotechnol. Biochem. 80(1): 55-66 (2016).

2) 赤澤真一.ミミズの魅力と可能性は無限大.生物工学会誌.94: 576-579 (2016).

2. 強力な血栓分解酵素の活用

ミミズは多様な薬理作用を有しており,漢方として古来利用されてきました.近年はこれら機能性の解析が進み,特にミミズが有する強力な血栓分解酵素ルンブルキナーゼは,室温でも非常に安定で経口投与でも効果が認められた事から1),注射による投与が必要なこれまでの抗血栓剤に代わる全く新しい抗血栓剤として期待されています.そこで,手軽に摂取できるサプリメントの開発が行われてきましたが,従来法は高熱殺菌過程により活性が低下するという問題がありました.そこで,我々は高圧技術を用いる事で,この問題を解決し,高い血栓分解酵素活性を有するミミズ粉末の開発に成功しました.本研究は世界中で特許を取得しています2).

1) Mihara, H. et al. Oral administration of earthworm powder as a possible thrombolytic therapy. Recent Advan. Thromb. Fibrinol. 287-298 (1990).

2) Akazawa, S., et al. Patent No.: ZL201410440464.4 (2016) (China).  Patent No.: I544929 (2016), I491397 (2015) (Taiwan). Patent No.:US9089581B2 (USA) (2015). No.: 15102074.8 (Hong Kong) (2015). Japan Patent 5548931, Patent 5505750 (2014).

3. 新規物質生産宿主の開発~バイオ医薬品を生産出来る「スーパーミミズ」の開発~

遺伝子組換え生物を用いて生産されるバイオ医薬品が注目されていますが,動物細胞を利用して生産されるバイオ医薬品は高度な設備や制御技術が必要な事から医療費の高騰が社会問題化しています1).そこで,近年は高度な設備も不要で生産調整も容易である動植物個体そのものを生産工場とする次世代型生産法が注目されています.そこで我々は,新規物質生産宿主として糖鎖修飾が可能でタンパク質分泌生産も可能なミミズ(Eisenia sp.)に注目し,異種遺伝子発現系の構築を目指しています.本ミミズは生物毒性試験のモデルとしてOECD(経済協力開発機構)より世界的に認められているため,本技術の進展により分子生物学的研究が加速化される事も併せて期待されています.これまでの研究で我々はE. fetidaの部分的遺伝子導入に世界で初めて成功し2, 3),精力的に開発を進めています.

1) 赤澤真一.バイオ医薬品とその生産宿主.Medical Science Digest.ニューサイエンス社.42 (10), 5-8 (2016).

2) 赤澤真一.特願2014-212692.名称 形質転換ミミズの作成方法及び組み換えタンパク質の生産方法及び組み換えタンパク質の回収方法(2014年).

3) 山谷竜大他.日本生物工学会.2017年9月.3P-E022.東京(大会トピックスに選定).

4. ミミズ細胞培養系の開発

動物細胞を用いて嫌気的に生産されるバイオ医薬品は非常に高価ですが,シマミミズE. fetidaの細胞は好気条件で培養可能である事が報告されており,生産の低コスト化が期待できます.さらに,様々なアッセイも容易となります.しかしながらミミズ細胞培養に関する知見は少なく,単一細胞培養系や継代法も確立されていませんでした.そこで,我々はミミズ細胞培養系の基盤技術の開発を行っています.

プレラボ活動

プレラボ活動とは低学年からの教育研究活動です
(詳細はhttps://www.nagaoka-ct.ac.jp/college-info/facility-info/sdic/prelabo/
本研究室では現在以下の3つのテーマを行っています.

研究業績

外部ページ参照 http://researchmap.jp/read0195019

研究室メンバー(学生)

  • 物質生産やバイオアッセイを可能とするミミズ細胞培養系の基盤技術の開発
  • ミミズにおける最適な異種遺伝子導入法の検討
  • ミミズ含有血栓分解酵素と糖質加水分解酵素群の発現条件の検討

指導方針

国内外での学会発表はもちろん,長岡技大の院生と交じり中間発表会を実施したりと,大学や企業と共同研究が盛んなため研究指導はしっかり行います(厳しくやさしく).留学生の受入も積極的に行っているため,英会話に慣れる事が出来ます.花見,新歓,追いコン等イベントも多数.社会で必要となるマナーもしっかり指導します.卒業後「しんどかったけど楽しかったな」と言われることを目指しています.

研究室の様子

重要なお知らせ
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